Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきょじん

灰色の巨人/魔法博士

江戸川 乱歩

Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

読者諸君は、学校で、人体模型を見たことがあるでしょう。あの模型の外がわをとりはずすと、たべものの通る食道や、息のかよう気管や、肺臓や、心臓や、胃や、腸が、ほんものとそっくりの色をぬって、ちゃんとこしらえてあります。あれです。巨人のからだの中は、あれを千倍も大きくしたようなものでした。

三人の少年は、巨人の食道を通りながら、その壁が、ビニールのように、すきとおっているので、巨人の心臓や肺臓を、ながめることができたのです。肺臓は、ブツブツあわだったような、ネズミ色のものでした。それが、頭の上いっぱいに、雲のようにひろがって、巨人が息をするたびに、ひろがったり、ちぢんだりしているのです。それにつれて三人が通っている食道のトンネルが、うねうねと動きます。まるで船にのって、大きな波にゆられているような気持です。

それよりも恐ろしいのは心臓でした。雲のようにひろがった肺臓も、やっぱり、すきとおっているので、心臓の形が、ぜんぶ見えるのですが、それは、浅草の観音さまのお堂にさがっている大ちょうちんを、いくつも集めたような、ギョッとするほど、でっかい、まっかなものでした。