Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 156.085 Zeichen · 312 Bildschirme
むろん人間にちがいないのですが、どんな顔の人間だか、どんな服をきているのか、足のさきまで、黒いきれにおおわれているので、すこしもわかりません。
西洋の幽霊は、頭から白いきれをかぶって、ふわふわとあらわれますが、あの白いきれのかわりに、この人間は黒いきれをかぶっているのです。そのきれが、歩くたびにひらひらして、まるで黒いおばけのようです。
黒い怪物は、レンガのへいにそって、宙をとぶように、門の前に近づき、そのまま、ふわりと、すかしもようの鉄の扉をのりこして、中へはいっていきました。そして、赤レンガの建物のよこをとおって、裏手の方へ、ふわふわとまわっていきます。なんだか、黒いかげが歩いているようです。
まだ、夜の八時ごろですが、赤レンガの建物は、どの窓も、まっ暗で、寝しずまったようにしずかです。しかし、裏手の方に、一つだけ明るい窓がありました。
黒い怪物は、その窓のそばへよって、窓のガラスをトントンとたたきました。
「だれだっ。」
中から、男の声が聞こえ、だれかが、ガラッと、窓をあけました。三十ぐらいの人相のわるいやつです。この家が魔法博士のすみかとすれば、この男は博士の部下なのでしょう。