Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 蓼喰う虫 (たでくうむし) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.066 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

「お父さんは?」

「お父さんはヴェランダ。―――アラビアン・ナイトを読んでいらっしゃいます」

「お前、宿題を早くやっておしまい、遊んでいないで」

「小父さんはまだ?」

「小父さんを待っていないだってよござんす。小父さん小父さんてまるで自分の友達のように心得ているんだね、お前は」

「だって、宿題を手伝って下さるって仰っしゃったから―――」

「駄目、駄目。何のための宿題です、自分でやらなけりゃいけません!」

「はあい」

と云って、犬と一緒にばたばた駈けて行く足音が聞えた。

「弘君にはお母さんの方が恐いらしいな」

「ええ、要はなんにも云わないんですもの。―――けど、別れるとなったら、父親よりも母親の方に別れづらくはないかしら?」

「そりゃお母さんは女の身一つで出て行くんだから、それだけ同情が寄るかも知れんな」

「そう思う? 高夏さんは。―――同情はあたし、要の方に集まると思うの。形の上ではあたしが要を捨てたように見えるんだから、世間はあたしを悪く云うでしょうし、子供にしてもそんな噂が耳に這入ればあたしを恨みはしないでしょうか」

「しかし、大きくなれば自然に正しい判断を下すようになりますよ。