Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme
が、小説の困難さは、学問的な解明でも鳧はつかない。ぼくはぼくの小説「新・平家」を書くほかはなく、秋燈の下に、今、壇ノ浦の前夜を描くにあたって、自分の中にも燈火の四辺にも、何か鬼影の哭くようなものにおりおり襲われてくるのである。――ふと、筆を措いて、夜を想うと、浅間山麓のこの高原には、夏じゅうあんなにまで見えた避暑人の燈も全く消え、ただ雨のような虫声の闇と、落葉の音があるだけだった。軽井沢の町も、夏過ぎると、たちまち、旧中山道の一宿場みたいな淋しさに返っている。(三〇・一〇・九)
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ここへきて、平家系図をいちど載せてほしいと希望される読者が多い。従来、本文でもおりにはたれの子、たれの兄弟という風に註をしてきたが、壇ノ浦では一門すべて寄り合うので、読者もその識別に煩われるものとみえる。
平氏系図も、厳密には、諸書まちまちといえよう。尊卑分脈はじめ、定本というのはない。それに遠祖外戚までに及ぶのはなお煩を加えるだけだから、壇ノ浦合戦に見える人々だけにとどめ、かんたんな註を附して次に掲げてみる。ほんとは、系図図式によると、一目で分かりやすいが、そうなると遠祖分流だの、この物語に不必要な人名も羅列することになり、ぼくにははなはだやっかいである。