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Japanische Klassiker mit Furigana

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ずいひつ しんへいけ

随筆 新平家

吉川 英治

Lesen Sie 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.575 Zeichen · 424 Bildschirme

Aozora Bunko

窓辺雑草

個々小さくてもよい、仕方がない、この時代である。読者諸氏の燈下に、また家々の小範囲にも、静かで、おつつがない毎日が送られるように。――それが著者の祈りである。また「新・平家物語」を書く祈りでもある。(昭和二十八年三月)

窓辺雑草

鎌倉を中心とする頼朝その他の源氏がわの遺蹟は、京、近畿、西国の平家遺蹟とくらべて、決して乏しい数ではない。

自分は、今春以来、伊豆の熱海で、仕事をしているが、たとえば、この附近の伊東、真鶴、石橋山、また箱根一つ向うの三島、北条といった附近にも、随所、行くところに、源氏にゆかりの田野や叢林はあるが、なぜか、例外なく、訪う人も稀れである。平家の史蹟にみるような永劫の余韻と、人の慕う風趣が見られない。

そこで、考えてみると、これは平家びいきとか、源氏びいきといったような単純なものではなく、文化の差であろう。文化においては、平家文化は鎌倉のそれよりも、たしかに、ずば抜けた遺産を歴史の土壌へこぼして行った。その意味では、平家は、源氏にやぶれたが、文化の上では、ついに勝っていたともいえると思う。また源氏の末路よりも、平家滅亡の相のほうが、より以上、詩であったということにも、民衆の心をひく何かが潜んでいるのではなかろうか。