Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
これも前のと同じような品であった。
そのほかにはもうなんにも掘出し物はないらしいので、その日の井戸さらいはまず中止になって、さらにその二つの鏡の詮議に取りかかったが、単に古い物であろうというばかりで、いつの時代に誰が沈めたものか、ほとんど想像が付かなかった。しかし水に映る顔が二つで、今や二つの鏡を引揚げた以上、その顔の持主とこの鏡の持主とのあいだに、なにかの関係があることだけは、誰にも容易に想像された。
吉左衛門は大家に育っただけに、相当の学問の素養もあるので、この古い鏡の発見について少なからぬ興味をもった。且はその鏡に自分の娘ふたりを蠱惑する不可思議な魔力がひそんでいるらしいことを認めたので、いよいよそのままには捨ておかれないと思って、まずその両面の鏡を白木の箱のなかへ厳重に封じこめた。それから城下へ出て行って有名な学者や鑑定家などを尋ねまわって、その鏡の作られた時代や由緒について考証や鑑定を求めたが、それは日本で作られたものでない、おそらく支那から渡来したものであろうという以上には、なんの発見もなかったので、吉左衛門も失望した。
その鏡を引揚げて以来、井戸のなかには男の影が映らなくなった。