Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
蛇精
一
母はその後どうということもありませんでしたが、だんだんにからだが弱くなりまして、それから三年目に亡くなりました。
「お話はこれだけでございます。その猿の眼には何か薬でも塗ってあったのではないかと言う人もありましたが、それにしても、その仮面が消えたり出たりしたのが判りません。井田さんの髪の毛を掻きむしったり、母の髻を掴んだりしたのも、何者の仕業だか判りません。いかがなものでしょう。」
「まったく判りませんな。」
青蛙堂主人も溜息まじりに答えた。
蛇精
一
第五の男は語る。
わたしの郷里には蛇に関する一種の怪談が伝えられている。勿論、蛇と怪談とは離れられない因縁になっていて、蛇に魅まれたとか、蛇に祟られたとかいうたぐいの怪談は、むかしから数え尽されないほどであるが、これからお話をするのは、その種の怪談と少しく類を異にするものだと思ってもらいたい。
わたしの郷里は九州の片山里で、山に近いのと気候のあたたかいのとで蛇の類がすこぶる多い。しかしその種類は普通の青大将や、やまかがしや、なめらや、地もぐりのたぐいで、人に害を加えるようなものは少ない。蝮に咬まれたという噂を折りおりに聞くが、かのおそろしいはぶなどは棲んでいない。