Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
清水の井
一
ていたのではないかとも思われるが、彼は果して死んでしまったのか、それともどこかに隠れて生きているのか、それはいつまでも一種の謎として残されていた。
しかし村人の多数は、彼の死を信じていた。そうして、こういう風に解釈していた。
「あれはやっぱりただの人間ではない。蛇だ、蛇の精だ。死ぬときの姿をみせまいと思って、山奥へ隠れてしまったのだ。」
彼が蛇の精であるとすれば、その父や母もおなじく蛇でなければならない。そんなことのあろうはずがないと、お年は絶対にそれを否認していた。しかも、なぜ自分の夫が周囲の人々を遠ざけて、その留守のあいだに姿を隠したのか。その子細は彼女にも判らなかった。
これは江戸の末期、文久年間の話であるそうだ。
清水の井
一
第六の男は語る。
唯今は九州のお話が出たが、僕の郷里もやはり九州で、あの辺にはいわゆる平家伝説というものがたくさん残っている。伝説にはとかく怪奇のローマンスが付きまとっているものであるが、これなどもその一つだ。ただしこれは最近の出来事ではない。なんでも今から九十年ほども昔の天保初年のことだと聴いている。
僕の郷里の町から十三里ほども離れたところに杉堂という村がある。