Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
しかしこの娘の病気――殊にこの年頃でこの病気――それが普通の解熱剤ぐらいで救われようとは、とても想像の許さないところである。いっ時の気休めに過ぎない解熱剤の二日分や三日分を貰って、素人医者の前にひざまずいて拝謝する老人――彼は恐らくこの家の忠僕であろう。――その姿を見るに堪えないような悼ましい心持になって、僕はおもわず顔をそむけた。
「夜風に長く吹かれない方がいい。」
T君から注意されて、娘たちはうやうやしく黙礼して引っ返して行った。女三人は、初めから一度も口を利かなかったが、画燈のかげが遠く微かに消えて行くあいだに、娘の咳の声ばかりは時どきにひびいた。それを見送って、老人も僕たちに敬礼して立去った。
「可哀そうだな。あの娘も長くは生きられないぜ。」
今までは、どんな娘だろうなどと一種の興味をもって待ち受けていたのであるが、さてその本人の悼ましい姿をみせられると、僕たちももう笑ってはいられなくなった。四人は顔を見合せて一度に溜息をついた。竈の下の高粱もたいてい燃え尽してしまったので、再びそれを折りくべていると、門の外で何か笑う声がきこえて、ここへはいって来る足音がひびいたので、誰が来たのかと表をのぞいて見ると、ひとりの男が戸の外に立っていた。