Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
幸いにここからはさのみ遠いところではないので、僕は妙義の山を降って松井田から汽車に乗って、信州を越えて越後へはいった。○○教の支社をたずねて、赤座朔郎に逢いたいと申入れると、世話役のような男が出て来て、講師の赤座はもう死んだというのであった。いや、赤座ばかりでない、妹の伊佐子もこの世にはいないというのを聞かされて、僕は頭がぼうとする程に驚かされた。
赤座の兄妹はどうして死んだか。その事情については、世話役らしい男もとかくに言い渋っていたが、僕があくまでも斬り込んで詮議するので、彼もとうとう包み切れないでその事情をくわしく教えてくれた。
この春、赤座が僕に話した通り、彼は妻を迎えようとしても適当な女が見あたらない。妹も兄が妻帯するまでは他へ嫁入りするのを見あわせて、兄の世話をしているという決心であった。こうして、兄妹は仲よく暮らしていた。そのうちに、町の或る銀行に勤めている内田という男がやはりおなじ信者である関係から、伊佐子を自分の妻に貰いたいと申込んだが、赤座はその人物をあまり好まなかったとみえて体よく断った。内田はそれでも思い切れないで、さらに直接伊佐子に交渉したが、伊佐子も同じく断った。