Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
そこでこの場合、自分の好きな道にゆっくり遊びたいというのと、二つには芸が身を助けるというような意味もまじって、俳諧の宗匠として世を渡ることにしましたが、今までとは違って小さい家へ引籠るのですから、余計な荷物の置きどころがないのと、邪魔なものは売払ってお金にしておく方がいいというので、不用のがらくたは勿論のこと、祖父の代から集めていました、書画や骨董のたぐいも大抵売払ってしまいました。
御承知でもございましょうが、明治初年の書画骨董ときたらほんとうの捨て売りで、菊池容斎や渡辺崋山の名画が一円五十銭か二円ぐらいで古道具屋の店ざらしになっている時節でしたから、歌麿も抱一上人もあったものでございません、みんな二束三文に売払ってしまったのでございます。その時分でも母などは何だか惜しいようだと言っておりましたが、父は思い切りのいい方で、未練なしに片っぱしから処分しましたが、それでも自分の好きな書画七、八点と屏風一双と骨董類五、六点だけを残しておきました。
その骨董類は、床の置物とか花生けとか文台とかいうたぐいの物でしたが、そのなかに一つ、木彫りの猿の仮面がありました。