Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
彼は夏の間だけ働いて、冬のあいだは寝て暮らした。
彼はどういう手段でうわばみを退治するかというと、それには二つの方法があるらしい。その一つは、うわばみの出没しそうな場所を選んで、そこに深い穴をほり、そのなかで一種の薬を焼くのである。うわばみはその匂いをかぎ付けて、どこからか這い出して来て、そのおとし穴の底にのたり込むと、穴が深いので再び這いあがることが出来ないばかりか、その薬の香に酔わされて遂に麻痺したようになる。そうなれば生かそうと殺そうと彼の自由である。ただしその薬がどんなものであるか、彼は堅く秘して人に洩らさなかった。
単にこれだけのことであれば、その秘密の薬さえ手に入れば誰にでも出来そうなことで、特に蛇吉の手腕を認めるわけにはいかないが、第二の方法は彼でなければ殆んど不可能のことであった。たとえばうわばみが村のある場所にあらわれたという急報に接して、今更にわかにおとし穴を作ったり、例の秘薬を焼いたりしているような余裕のない場合にはどうするかというと、彼は一挺の手斧を持ち、一つの麻袋を腰につけて出かけるのである。麻袋の中には赭土色をした粉薬のようなものが貯えてあって、まず蛇の来る前路にその粉薬を一文字にふりまく。