Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
しかし、ある時こんな事を問わず語りに言い出した。
「おれもこんなことを長くはやっていられそうもないよ。」
お年は別に現在の職業を嫌ってもいなかったが、老人になったらばこんな商売も出来ないであろうとは察していた。今のうちから覚悟して、ほかの商売をはじめる元手でも稼ぎためるか、廉い田地でも買うことにするか、なんとかして老後の生計を考えておかなければなるまいと思って、それを夫に相談すると、蛇吉はうなずいた。
「おれはどうでもいいが、お前が困るようなことがあってはならない。そのつもりで今のうちに精々かせいでおくかな。」
彼はまた、こんなことを話した。
「村の人はみんな知っていることだが、家のおふくろが死ぬ少し前に、おれは怖しいうわばみに出逢って、あぶなくこっちが負けそうになった。相手が三本目の筋まで平気で乗り越して来た時には、おれももう途方にくれてしまったが、その時、ふっと思い出したのは、死んだ親父の遺言だ。おやじが大病で所詮むずかしいというときに、おれの亡い後、もし一生に一度の大難に出逢ったらば、おれの名を呼んでこういう呪文を唱えろ。おれがきっと救ってやるよ。