Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志
吉川 英治
Lesen Sie 三国志 (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.356 Zeichen · 323 Bildschirme
と、思いあわせた。
しかし逢紀、義渠の二将が追いついてくれたので、彼は蘇生の思いをし、冀州の領へ帰って行ったが、その途々にも、人民たちが、
「もし田豊の諫めをお用いになっていたら、こんな惨めは見まいものを」
と、部落を通っても、町を通っても、沿道に人のあるところ、必ず人民の哀号と恨みが聞えた。
それもその筈で、こんどの官渡の大戦で、袁紹の冀北軍は七十五万と称せられていたのに、いま逢紀、義渠などが附随しているとはいえ、顧みれば敗残の将士はいくばくもなく、寥々の破旗悲風に鳴り、民の怨嗟と哀号の的になった。
「田豊。……ああそうだった。実に、田豊の諫めを耳に入れなかったのが、わが過ちであった。なんの面目をもって彼に会おうか」
袁紹がしきりと悔いわびるのを聞いて、田豊と仲のよくない逢紀は、冀北城に近づくと、やがて彼が袁紹に重用されようかと惧れて、こう讒言した。
「城中からお迎えのため着いた人々のはなしを聞くと、獄中の田豊は、お味方の大敗を聞いて、手を打って笑い、それ見たことかと、誇りちらしているそうです」
またしても袁紹は、こんな讒言の舌にうごかされて、内心ふたたび田豊を憎悪し、帰城次第に、斬刑に処してしまおうと心に誓っていた。