Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
鎌倉駅前に、迎えの自家用車が出してあつた。
別宅というのは、この辺によくある別荘風の構えで、門柱には、たゞ、「富田」という標札が出してあるきりで、浜田の説明によると、たぶん妾宅の一つだろうということであつた。
応接間に通された二人は、あたりを物珍しそうに眺めまわした。それは、一応金目のものは置いてあるに違いないけれども、いかにもチグハグな、急ごしらえの感じであつた。
やがて、主人の遠矢幸造が、女中にドアを開けさせてはいつて来た。
「やあ、ようこそ……浜田君はこの家、はじめてだつたんだねえ」
「はじめてさ。こんなところへ呼ばれる身分じやないもの」
「まあ、そう言いなさんな。時に、早速、心掛けてくれてありがとう。この方かい?」
「あゝ、京野等志君だ。さつき電話で詳しいことは話さなかつたが、外語出の秀才でね、英仏独、なんでもござれだ。窮屈な勤めは性分に合わんのだそうだ。お父さんのやつておられる会社を、自分でおん出たという経歴の持主でね、まあ、あんたの英語の相手なら、我慢できるだろうと思つてさ」
「どうも、今更、英語でもあるまいなんて、時々思うんだが、やつぱり、近頃は、片言ぐらい喋れんと不自由でね。