Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

父の孤独

一

「そういう状態は、当分続くんでしようか、愚問かも知れませんが……」

若い医者は、さすがに答えに窮したらしく、

「さあ、急変がない限り、二、三週間で、面会ぐらい許されるんじやないでしようか。僕は、ちよつと、責任をもつてお答えはできないんですが……」

「手紙はどうでしよう? 看護婦さんに読んでもらえば差支えありますまいか?」

「そういう制限はしていません。しかし、ちよつと余計なことのようですが、僕の経験だと、手紙によつては、意外に大きなショックを与えられますから……喀血の久しく止つていた患者が、ある種の内容の手紙を読んだとたん、大喀血をした例もあります。医者は、しかし、そこまで患者の生活に立ち入ることはできませんからね」

若い医者は、そう言いながら、微笑をふくんだ視線を軽く彼の上に投げて、そのまゝ廊下を奥の病棟の方へすたすたと歩きだした。

その病棟の部屋々々から、途切れ途切れに尾を引く、鈍い笛のようなうめき声が聞えて来た。

父の孤独

一

京野等志は、足音を忍ぶようにして、病棟の廊下をあちこちと歩いた。病室の番号が次ぎ次ぎに彼の視線にうつり、教えられた七号室がもうそこだとわかると、彼は、急に呼吸をのんで立ちすくんだ。