Japanische Klassiker mit Furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
「ぴんぴん……。でも、ちやんと話合いはつけたの」
「すると、双方合意の上の離婚ですか?」
「まあ、そうね。言い出したのはあたし、賛成したのは向うなんだから……」
「あ、そう、あべこべじやないんだな」
「あべこべでもおんなじよ。こつちも、向うがそれを切り出すのを待つてたんだから……。待ちきれなくなつただけ……」
「あなたは、どういう風に切り出したの……」
「この暮に、あのひとが二度目に療養所へ来たとき、また親戚がどうの、近所がどうのつて言いだしたから、あたし、思いきつて、別れ話を持ちだしてみたの。できるだけ穏やかな言葉で、こういう病気の女は、主婦としても、妻としても、まつたく無資格なんだから、潔よく身をひくべきだと思うつて、言つてやつたの。子供のためにも、結局、今のうちに、早く新しい母親をみつけてやつた方が、仕合せなんじやないか、とも、言つたわ。自分のことはどうでもいゝ。長久保家のために、すべてを忍ぶつもりだ、なんて、神妙なことを言つてしまつたの。すると、長久保は、はじめ、とんでもないつていうような顔はしたけど、そのあとで一生懸命、しよげきつたような顔をして、――お前がそこまでのことを考えてくれるのは、ほんとにわしを愛してくれるからだと思う。