Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
二
のことなのであろう。
現に、彼は、東京駅へ着くと、その足で中央線に乗り換えはしたが、まつすぐ荻窪へは行かず、新宿で電車をすてた。もう、日が暮れていた。
二
敗戦のすがたはこれかと思われる奇怪な雑沓とネオンの光のなかを、彼は、つとめて平然たる足つきで縫い歩いた。嘗て足繁く通つたバアの看板はどこを探してもなかつたが、風変りな喫茶店が軒を並べた裏通りで、彼は真夜中まで、どぎつい色と匂いのなかで、盃を傾けた。
あるそういう店の女主人が、彼に突然、馴れ馴れしく話しかけた。
「あなた、失礼だけど、遠くから帰つてらしつた方ね。今朝、どつかへ上陸したつていう顔よ。ほら、その眼つきよ、いやに懐しそうな眼つき、こわいようだけど、その実、なんかを探している淋しい眼つき、わかるわ、あたし……」
彼はもう可なり酔つていたけれども、その言葉が、たゞのキザなお座なりとは響かず、周りを取巻く女たちの蓮葉な笑い声に交つて、気味わるく尾を引き、チクリと脳天にこたえた。
「ふむ、そう見えるか。いゝ勘だ。そういう君は、たしか満洲からの引上げだね。どうだ、そのカールでかくした額に書いてある」
「あら、すごい」