Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりはかげを

光は影を

岸田 国士

Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「いゝじやないか、そんなこと……自分で気に入つて貰つた女なら、せいぜい大事にするのが本当だよ」

「だが、なあ、野良へ出るのに鍬までかついでやる必要があるかどうかだ」

「ほゝう、やつぱり野良仕事はさせるのか」

「そいつはしかたがあるめえ。お袋もいるし、弟夫婦もいるだから、義理にも、床の間へ飾つとくわけにやいかんよ」

「夫婦仲は、すると、上々つてわけだね」

「女房の方はどう思つとるか、わしや知らん。よう勤めるにや勤めとるつていう話だ。たゞ、笑い顔ちゆうもんを見たことがない。これやどういうもんかな」

「おかしくないからだろう、そいつは」

「百姓の生活に、おかしいことなんぞあるわけがねえ。しかし、根からの百姓女は、よう笑うぜ。なにが楽しいのかと思うほど、よく笑うよ」

京野等志は、床にはいつても、なかなかねつかれなかつた。笑わない小萩の現在の生活とは、いつたい、どんなものか? 彼女はひととおり幸福なのか、それとも堪えがたい不幸を忍びに忍んでいるのか? 夫宇治の愛情は、彼女の心をゆたかに満しているのか、或は、その愛情のために、却つて、自分をいつわる苦しみに身をもがいているのではないか?