Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lesen Sie 光は影を (ひかりはかげを) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.262 Zeichen · 276 Bildschirme
と、母が言う。
「男にはよくあるわ。よくない癖ね」
これは姉の多津である。
「まあ、まあ、みんなでそう攻撃しないで、誰か味方になつてやれよ。家をはなれて一人つきりになりたい欲望は、これは責めるわけにいかんよ。その理由を改まつてきいてみたところで、どうにもならんさ。お母さんだけはちよつと面倒だが、多津にしたつて、真喜にしたつて、時々は、自分だけの生活があつたらと思うだろう。深志のやつは、単純にその夢を追つてるというわけだ。そして、誰だつてそうだが、その夢をいちばんわかろうとしないのは、おやじやおふくろだと思い込んでるのさ。そこへ行くと、きようだいは違うんだが、おれにはどうも兄きの資格がないらしいよ。多津、お前、あした、荷物ごしらえの世話をしてやれよ」
「下宿つて、いつたい、どこなのさ」
と、また、母が気をもむ。
「いずれ知らせるんでしよう。お母さんも、あんまりくどくいろんなこと、おつしやらない方がいゝですよ。当座いり用なものをひと通り持たしてやつてください。お父さんには、僕からよく話します」
その翌日、父は自分の居間に引つ込んだまゝ顔をみせず、その間に、母と多津とが手伝つて、蒲団包みと、柳行李と、本箱、机などが運送屋のリヤカーに積み込まれた。