Japanische Klassiker mit Furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lesen Sie 古寺巡礼 (こじじゅんれい) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.765 Zeichen · 285 Bildschirme
鎌倉時代の修繕の際に構造をまで変えたといわれているから、全体の感じは恐らく原物と異なっているのであろう。もっとも内部の柱や天井は天平のままだそうである。堂の外観が与える印象はむしろ藤原時代のデリケートな美しさに近い。
しかし金堂と対照して講堂が全然様式を異にしていることは意味のあることである。礼拝堂と研究所との建築にこれほど著しく気分の相違を現わさないではいられなかった古人の芸術的関心は、十分我々の尊敬をうけるに足りる。
講堂のなかに並べてある諸像のうちでは特に唐軍法力作の仏頭と菩薩頭とが美しかった。もとはかなり大きい像であったらしいが、今は胴体全部が失われて、ただ頭部のみ残っているのである。仏頭の方は鼻も欠けているけれども、その眼や口や頬などのゆったりとした刻み方をながめていると、何とも言えずいい心持ちになる。菩薩の顔は表面に塗ったものが剥落しているきりで、形は完全に残っているから、その夢みるような瞼の重い眼や、端正な鼻や、美しい唇などが、妨げられることなしにわれわれに魅力を投げかける。確かにこれらの頭は金堂の諸像よりも優れている。寺伝の通りこれが法力の作であるならば、講堂の本尊であった法力作丈六釈迦像もさだめて立派なものであったろう。