Japanische Klassiker mit Furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lesen Sie 古寺巡礼 (こじじゅんれい) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.765 Zeichen · 285 Bildschirme
二十四
われわれにとって空白のごとくに見えている古い祖先の生活の一面も、これらの品々の観察によって、幾分充たされるに相違ない。
しかしその落ちつきのなかったわたくしは、眼にうつるものの多さに圧倒せられて、感受力が鈍りきるほど疲れた。昼飯のために夢殿の南の宿屋に引き上げたときには、縁側に腰をおろすと靴をぬぐ努力もものういほどであった。
* 法隆寺の宝物は今は新築の宝物殿に秩序立って陳列されている。
二十四
夢殿――夢殿秘仏――フェノロサの見方――伝法堂――中宮寺――中宮寺観音――日本的特質――中宮寺以後
ひるから夢殿に行った。天平時代に建てられたこの美しい八角の殿堂は、西の入り口から見ると、惜しいことに周囲が狭すぎて、十分の美しさを発揮しないように思われる。聖徳太子の斑鳩宮は今の堂の配置とは異なっていたらしい。しかし講堂たる伝法堂は橘夫人の邸宅より移した住宅建築である。廊下の奥にその伝法堂の見えている絵殿のぬれ縁に立って夢殿をながめると、かろうじて堂の全貌を見ることができる。それほど建築が近接しているのである。それは伽藍の感じではなくて、住み心地のよい静かな住宅の感じだともいえる。