Japanische Klassiker mit Furigana
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こじじゅんれい
古寺巡礼
和辻 哲郎
Lesen Sie 古寺巡礼 (こじじゅんれい) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.765 Zeichen · 285 Bildschirme
六朝から唐へかけてこの精神は漸次著しく現われてきた。建築においても唐招提寺金堂は、エンタシスこそ消えているが、精神において実にギリシア的である。もし当麻曼陀羅の楼閣をシナ的というならば、この金堂はほとんどシナ的でない。そうしてこの非シナ的傾向のかなり早い現われが、恐らく法隆寺の建築に示されているのである。
もう一つこの日の新発見は、五重塔の動的な美しさであった。天平大塔がことごとく堙滅し去った今日、高塔の美しいものを求めればこの塔の右にいづるものはない。塔の好きなわたくしはこの五重塔の美しさをあらゆる方角から味わおうと試みた。中門の壇上、金堂の壇上、講堂前の石燈籠の傍、講堂の壇上、それからまた石燈籠の傍へ帰り、右へ回って、回廊との間を中門の方へ出る。さらにまた塔の軒下を、頸が痛くなるほど仰向いたまま、ぐるぐる回って歩く。この漫歩の間にこの塔がいかに美しく動くかを知ったのである。
塔は高い。従ってわたくしの目と五層の軒との距離は、五通りに違っている。各層の勾欄や斗拱もおのおの五通りに違う。その軒や勾欄や斗拱がまた相互間に距離を異にしている。その他塔の形をつくりあげている無数の細かい形象は、ことごとく同じようにわたくしの眼からの距離を異にしているのである。