Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
「うん、だが、もうすこしがまんしよう。ひょっとしたら、夜になってから、やってくるのかもしれないからね。」
小林君が、丈吉君をなだめるように、ささやきかえします。
それから、しばらくして、四時五十分ごろでした。北がわの板ばりの壁の一部が、スウッと動きはじめたではありませんか。
ふたりは寝そべったまま、ぐっと手をにぎりあって、そのほうを、いっしんに見つめました。
しばらくすると、北がわの壁に、ぽっかりと、四角いまっ黒な口がひらいていました。はば六〇センチほどのかくし戸が、むこうへひらいたのです。そして、そこから、ヌウッとすがたをあらわしたのは、なんと、園田さんのうちの、山本という書生だったではありませんか。
のぞいていたふたりは、びっくりしてしまいました。
いったいこれはどうしたことでしょう。それでは、書生の山本さんが、四十面相のなかまだったのでしょうか。
いや、そんなはずはありません。いまから十分ほどまえ、小林君が便所へおりていったとき、一階の廊下で山本さんと出あったばかりでした。そして山本さんは、ふたりの少年が、ここにかくれていることをよく知っているのです。