Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
淡谷さんは、その黄金の宝石ばこを、だいじそうに、両手でテーブルの上に取り出し、べつのかぎで、ふたをひらきました。
「まあ、きれい!」
スミ子ちゃんは、まえに二、三度見たことがあるのですが、でも、見るたびに、おどろきの叫び声をたてないではいられませんでした。
黄金の宝石ばこの中には、黒ビロードの台座があって、そこに、二十四個の色さまざまな宝石が、はめこんであるのです。
五色にちかちか光るダイヤモンド、まっ赤なルビー、青っぽく光るサファイア、エメラルド、そのほか、スミ子ちゃんの名もしらぬ宝石が、ずらっとならんでいるのでした。
「ほほう、これはすばらしい。」
お客さまも、おもわず声をたてて、宝石ばこに見いっています。
淡谷さんは、その宝石を、ひとつひとつ取り出して、それを手にいれるまでの苦心談をなさるのでした。
宝石を見るのに三十分ほどもかかりましたが、そのなかばごろから、スミ子ちゃんは、また、心配でたまらなくなってきました。
さっき、屋根の上に立っていたこうもり男は、どこにいるのでしょう。うちの中へしのびこんで、どこかのすきまから、この部屋の中をのぞいているのではないでしょうか。