Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
鉄人Qは、ひどくうろたえて、ミドリちゃんのそばへもどってきました。
「どうしたの。だれか上がってくるの?」
ミドリちゃんが、むじゃきにたずねました。
「おそろしいやつがくるのです。逃げなければならない。」
鉄人Qはそういって、きょろきょろあたりを見まわしていましたが、部屋のすみにまるめてあった、あさなわをとって、ミドリちゃんのわきの下にまわし、
「さあ、わたしにおぶさるのです。しっかりつかまっているのですよ。」
といって、ミドリちゃんをせおい、あさなわを自分の肩から胸にまわして、しっかり結んでしまいました。
そして、もう一本の長いあさなわを持つと、いきなり、窓のこうし戸をひらいて、五階のまわりをかこんでいる、細い廊下へ出ました。
もう夕方で、あたりはうすぐらくなっていましたが、塔の五階に鉄人Qが、ミドリちゃんをおぶって立ちあらわれたのは、まだよく見えます。
それを見ると、塔をかこんでいる大ぜいの人びとの間から、
「ワーッ……。」
という、ざわめきがおこりました。
「あっ、女の子をおぶっている。どうするつもりだろう。あそこから、とびおりるんじゃないかしら。そんなことをしたら、女の子は死んでしまうじゃないか。