Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
ひとりの警官が、いそいでそばにより、その女の子をだきあげました。べつに、けがしているようすは、ありません。おそろしさに気を失ったようになっているのでしょう。
警官がだきあげると、女の子は、ワッと泣き声を立ててしがみついてきました。
この女の子が、ミドリちゃんだったことはいうまでもありません。
シャツ一枚になった鉄人Qの方は、向こうにころがったまま、まるで死んだように身動きもしないのです。
三人の警官が、三ぽうから、ピストルをつきつけながら近よっていきました。ひとりが、左手の懐中電灯を、ころがっている男の顔に近づけました。
「あ、これは正木君だぜ。」
「うん、そうだ。正木巡査だ。いったい、どうしたというのだろう。」
警官たちは、あっけにとられて顔を見あわせました。
「おい、どうした。」
ひとりが、大男の肩をつかんで、ゆさぶりました。
すると、大男は、やっと気がついたように目をあけました。
「おい、どうしたんだ。鉄人Qに出会わなかったのか。」
「なんだか、わけがわからない。いきなり、がくんときて、気が遠くなったんだ。うしろからなぐられたらしい。」
正木巡査はくやしそうに頭のうしろをおさえて、いうのでした。