Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
それからまた四十分ほどたったころ、板の間にころがっている一郎さんは、ドアの外へ、人の足音が近づくのを、ききつけました。
悪人が帰ってきたのかと、じっと、ドアのほうをにらんでいますと、ドアのとっての回る音がして、しずかにドアがひらき、なにものかがしのびこんできました。
そのころは、もう日ぐれですから、部屋の中が暗くなっていましたが、一郎さんは目がなれているので、だいたいの見わけはつくのです。
はいってきたのは、子どものように、小さい男でした。手には懐中電灯を持っているようです。用心のために、その火を消して、はいってきたのでしょう。
その小男は、入口に立って、部屋の中をすかすように見ていましたが、やっと、一郎さんがたおれているすがたを見つけたらしく、そっと、そばへ近よってきました。そして、いきなり、パッと懐中電灯をつけて、その光を、一郎さんの顔にあてました。
「あなたは、淡谷一郎さんではありませんか。」
それは少年の声でした。どうやら、悪人ではないようです。しかし、答えようにも、さるぐつわをはめられているので、口がきけません。
あいてはそれに気づいたらしく、懐中電灯を床において、さるぐつわをほどき、口の中のハンカチをとり出してくれました。