Japanische Klassiker mit Furigana
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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Lesen Sie 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 151.766 Zeichen · 303 Bildschirme
文字ばんの穴
文字ばんの穴
この部屋の外がわは、三方が時計の文字ばんになっています。さしわたし五、六メートルもある巨大な文字ばんが、前、右、左と、三方にあって、それぞれ、長針と短針が、回っているのです。
ですから、その時計の針のしんぼうも、三方につき出しています。機械室ではそのしんぼうが、おとなのせいの高さくらいのところに、よこたわっているのです。
そのしんぼうより下の、八時と四時の数字の近くに、ふたつのまるい窓のような穴があります。大時計には、そんな穴は、べつにひつようはないのですが、柱時計の文字ばんのねじをまく穴ににせて、そんな穴があけてあるのです。また、その穴は、ちょうど、人間のあたまが出るほどの大きさですから、外をのぞく窓のかわりにもなっているわけです。
道化師は、さっき、その文字ばんのうらがわと、歯車の機械のあいだに立って歯車のすきまをのぞいていたのですが、いま見ると、そこにはもう、かげも形もありません。
「アハハハハ……、おい、丈吉君、おれがどこにいるか、わかるかね。アハハハハ……。」
どこからか、きみのわるい笑い声が、ひびいてきました。
どこでしょう? 丈吉君は、しばらく耳をすまして、考えていましたが、二どとその声は、聞こえてきません。