Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme
――白丁を着ているくせに、木剣など持って」
「稽古をしていたんだよ。立木を相手に、剣術の独稽古を」
「お稽古は結構ですけれど、このお苑を、何と心得ているんですか。清浄と平和をあらわすためのわたくしたち日本の人々のこころのお苑ですよ。民くさの母とおまつり申しあげてある女神さまの神域です。――ですから、また、ごらんなさい。神苑のうちの樹木折るべからず、鳥獣殺生禁断のことという禁札が立ててあるではありませんか。その中で、お掃除役を奉仕する者が、木剣で木など折ってはいけないでしょう」
「知ってらい」
城太郎はそういって、お通のお談義へ、ばかにするなというような顔つきをした。
「知っているなら、なぜそんな物で、樹を折るんですか。荒木田様に見つかると、叱られますよ」
「だって、枯れている樹を打つならいいだろう。枯れ樹でもいけないかい?」
「いけません」
「何いってやがるんだい。――じゃあおれは、お通さんに聞きたいことがあるよ」
「なあに」
「そんなに、大切な苑ならば、なぜもっと、今の人たちが、みなして大事にしないのだい」
「恥ですね、ちょうど、それは自分たちのこころに、雑草を生やして置くのも同じですから」