Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme
いや植物も生物も、一切のものが、自己の生命に充実と誇りをもって地上を飾っていた。
「まだ誰も登って来ないぜ、お通さん。今朝は、この街道では、おれたち二人が、一番先に通るんだ」
「おかしな自慢をするんですね。道なんか、先に通ったって、後から通ったって、同じことじゃありませんか」
「ちがうさ」
「じゃあ、早く通れば、十里の道が七里になる」
「そんな違いじゃないよ、歩く道でも、一番は気持がいいだろ。――馬のお尻や、雲助の後から行くよりも」
「それはそうだけれど、城太さんみたいに、威張って、自慢するのは変ですよ」
「でも、誰も通っていない街道を歩いていると、自分の領分を歩いているような気がするんだよ」
「じゃあ私が、お馬の先を、露ばらいしてあげるから、今のうちに、たくさん威張って歩くといい」
お通は、道に落ちていた竹をひろって、歌をうたうような気持で戯れた。
「下にいませエー。下にいませエー」
戸が閉まっているとばかり思っていた四軒茶屋から、人が顔を出したので、
「ま! いやだ」
お通は顔を赧くして駈け出した。
「お通さんお通さん」
追いかけて、
「殿様を置いて逃げちゃいけないよ、お手討だぞ」