Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme
二
すり切れたわら草履をばたつかせて、朱実のうしろへ寄って来た、そして地に曳き摺っていた彼女の帯紐の端をひろって、
「まさか娘やは、謡曲狂言によく出てくる狂女じゃあるめえ。……人が笑うわな。……美い顔をしているのに、髪だって、もすこしどうかして歩いたらどうだい」
二
うるさいと思うのであろう。朱実は耳がないような顔をして歩いてゆく。それを赤壁八十馬は、単に、若い女のはにかみと呑みこんで、
「娘やは、都ものらしいが、家出でもしたのか? それとも、主人の家でも飛び出して来たのか」
「…………」
「気をつけなよ。おめえみたいな容貌よしが、そんな……誰が見たって、事情のありそうな、ぼんやり顔でうろうろ歩いていてみな、今の都には、羅生門や大江山はないが、そのかわり、女とみたらすぐ喉を鳴らす野武士がいる、浮浪人がいる、人買がいるぜ……」
「…………」
ふんとも、すんとも、朱実は答えないのに八十馬は独りで喋って尾いて行きながら、
「まったく」
と、返辞まで自分でして、
「この頃、江戸の方へ盛んに京女がいい値で売られてゆくそうだ。むかし奥州の平泉に藤原三代の都が開かれた頃には、やはり京女がたくさんに奥州へ売られて行ったものだが、今ではそのはけ口が江戸表になっている。