Japanische Klassiker mit Furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme
と思い、それに当然、
(いやな奴だ、女たらしかもしれぬ。朱実も朱実、おれに黙って、どこへ行くのかと思って後を尾行て来てみれば……あんな男に、泣いたりなどして)
こう不快な気もむらむらと生唾になって湧いて来る。
そのありありと眼に出ている反感や、武者修行同士が行きずりに持つ、自負心と自負心との反溌しあう妙な敵愾心など、武蔵のひとみに顕然と読まれるので、武蔵もおのずから、
(何者か?)
と、彼の存在を疑い、
(できるな、相当に)
と、押し測り、
(はて、あの眼の害意は?)
と、警戒して、
(油断のならない人間)
として、眼で見るのではなく、心で観つめているので、ふたりの眸は、今、火花を出しているといっても過言でない。
年齢は、武蔵が一つ二つ下か、小次郎のほうが下か、どっちにしても大差のない、お互いが、生意気ざかりで、兵法でも、社会のことでも、政治でも、すべてが分ったつもりでいる自負心の満々としている青年なのだ。
猛獣が猛獣を見ると、すぐ唸るように、小次郎も武蔵も、なんとなく、髪の毛のそそけ立つような印象を、この初対面にうけたのである。
――そのうちに、ふと、小次郎が先に眸を横へ反らした。