Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lesen Sie 宮本武蔵 (みやもとむさし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.809 Zeichen · 369 Bildschirme

Aozora Bunko

「こいつ」

と、力み直したが、相手の足もとは、どうして、確かりとしたものだ。

かえって又八が顎をあげて、

「うッ……」

妙な声をしぼりながら、どたどたっと次の部屋まで押し出され、それを食い止めようとする力を利用されて、手際よく、壁へ向って投げ捨てられた。

根太も柱も腐蝕っている屋敷である。一堪りもなく壁土が崩れて、又八は全身に泥をかぶった。

「ペッ……ペッ……」

猛然と唾して立つと、ものをいわない代りに、凄い血相が刃物を抜いて、跳びかかってきた。虚無僧も心得たりという応対で、尺八をもって渡りあう。しかし情けないことにはすぐ息喘れが出て来て、尖った肩でせいせいいうのだ。それに反して又八の肉体はなんといっても若かった。

「ざまを見ろッ」

圧倒的に又八は、斬りかけ斬りかけして、彼に息をつく間を与えない。虚無僧は化けて出そうな顔つきになった。体の飛躍を欠いてともすると蹴つまずきそうになる。そのたびに何ともいえない死に際のさけびを放った。そのくせ八方に逃げ廻って、容易には太刀を浴びないのである。

しかし結果は、その誇りが又八の敗因となった。虚無僧が猫のように庭へ跳んだので、それを追うつもりで廊下を踏んだ途端に、雨に朽ちていた縁板がみりっと割れた。