Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
又ほかの山を探そうと思っています。」
「一つ所に長くいらっしゃると、随分お飽きになりましょうが、しかし又、違ったところへお出でになると、当分は何かと御不自由なこともございましょう。」
「それもそうですが……。」と、関井さんは少し考えるように眼を瞑じていました。「実際、ここらは夏涼しくって、冬もさのみ寒くもなく、まず住みいい方なんでしょうが、やはり一つ所には長く住みたくありませんよ。」
「わたくしはなんにも存じませんけれど、御用はなかなかお忙がしいのでございますか。」
「なに、ここらは比較的に閑な方です。土地の人気が一体におだやかですから、盗伐などという問題もめったに起こりません。ただ時々に山窩が桐の木を盗むぐらいのことです。」
山窩というものに就いて、関井さんは説明してくれました。それは山の中に小屋や洞穴などを作って棲んでいる下等人種で、ときどきに里に出て、乞食をする、盗みを働く、人殺しなども平気でやるという始末に負えない浮浪者の群れで、この山のなかにも二三十人ほどは巣を作っているのだそうです。あまりに悪いことをすると、巡査が隊を組んで山狩りを始めるのですが、そういう徒ですから、どこへか素早く逃げ隠れてしまって、なかなか狩り尽くすというわけにはゆかないそうです。