Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
」
「そうですよ。ここらの山の中にはあんな者が棲んでいて、時々に村へ降りて行っていろいろの悪さをして困りますよ。」
「山女を売りに来たんですか。」
「なに、売りに来たんじゃありません。ああして自分の捕ったのを持って来てくれるんですよ。」
「その代りにこっちでも何か食べ物でもやるんですか。」と、わたくしはまた訊きました。
「なにか食べ物をやることもありますが……。毎日のようにうるさく来るので、この頃は相手にならずに追い返してしまうんです。考えてみりゃあ可哀そうのようでもありますけれど……。」
「まったく可哀そうですわね。」
「毎日ああして山女を捕って来てくれるんですからね。まったく涙が出るように可哀そうなこともありますけれども、どうにもこうにも仕様がありません。あんな者のことですから、そのうちには又どうにかなりますよ。」
山窩の小娘に、じいやはひどく同情しているような口ぶりもみえます。わたくしはこのじいやの口から山の秘密をなにか探り出したいと思ったので、なにげなしに又訊きました。
「あの児はなんという名です。」
「名なんか知りませんよ。たびたびここへ来ますけれど、名前なんか訊いてみたこともありません。