Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
唯ここに一つの疑問は、どうで殺すくらいならば今日まで一年あまりもなぜ猶予していたかということで、その理屈がどうも判りません。あるいは関井さんの夫婦が近々にここを立ち去るということを知って――それもどうして知ったのか判りません。六助じいやは決してしゃべった覚えはないといっていました――。急に妬ましさが募って来て、ふだんから憎んでいる奥さんを殺そうと思い立ったのか。それとも、久し振りでピアノの音を聴いて、不意にむらむらと殺意を起こしたのか。なにぶんにも相手が相手ですから、普通のわれわれの考えでは確かにこうという見極めは付きそうもありません。いずれにしても、三津子さんは世に悼ましい生贄でありました。
山窩の娘については、三津子さんもその秘密を知っていたに相違ありません。それはわたくしと一緒に散歩に出たときの口ぶりでも想像されます。その当時は一種の謎のようで、頭の悪いわたくしには何がなんだか一切夢中でしたが、今となって考えればその謎もだんだんに解けて来るように思われます。そういう事情があるので、関井さんも三津子さんも早くこの山を立ち去りたいと祈っていたのでしょうが、それが却って禍いの基になったのかも知れません。