Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
婿と嫁と、この両家のおどろきはいうまでもない。婚礼の間ぎわになってお蝶がなぜ死んだのか、その子細は誰にも判らなかった。どの人もただ呆れているばかりで、暫くは涙も出ないくらいであったが、なんといってももう仕方がないので、溝口家からは警察へも届けて出て、正規の手続きを済ませてお蝶のなきがらを四谷の寺に葬った。溝口家からは警察にたのんで、事件を秘密に済ましてもらったので、お蝶の死は幸いに新聞紙上にうたわれなかった。
お蝶は一通の書置きを残していたので、それが自殺であることは疑うべくもなかったが、その書置きは母にあてた簡単なもので、自分は子細あって死ぬから不孝はゆるしてくれ、父上にもよろしくお詫びを願いたいというような意味に過ぎなかった。したがって、死ななければならない子細というのはやっぱり不明に終ったのである。それはそれとして、彼女の死が周囲の空気を暗くしたのは当然であった。矢田の母は気抜けがしたようにがっかりしてしまった。友之助もやけになって諸方を飲みあるいているらしく、毎晩酔って帰って来た。溝口の細君も半病人のようにぼんやりしていた。
こうなって来ると、誰からも好い感じを持たれないのはかのお筆という女の身の上で、彼女がお蝶と友之助とを結びあわせた為に、こんな悲劇が生み出されたらしくも想像されるのであった