Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
庭に遊んでいた僕も眼をかがやかして縁さきへ戻って来た。
「なぜそんなことをするのかね。」と、祖母はまだ半信半疑らしい口ぶりで言った。
「そりゃ判りません、だれにも判りません。」と、倉蔵も不思議そうに又ささやいた。「それからね。まだおかしいことを言い触らす者があるんですよ。どうもあの尼さんは尋常の人間じゃないと……。」
「ただの人間じゃない。まあ、どうして……。」と、母も目をみはりながら直ぐに訊き返した。
「皆さまも御承知でしょう、あの尼さんはふだんから犬が大嫌いで……。犬が吠えると顔色を変えるそうですよ。それがこの頃はだんだん烈しくなったようで、この間もあの石地蔵さまを拝んでいるところへ、原の方から野良犬が二匹出て来てわんわん吠え付いたら、尼さんは怖ろしい顔をして、はじめは手に持っている珠数で打ち払うような真似をしていたんですが、しまいにはもう気違いのようになって、そこらにある石塊や木の切れを拾って滅茶苦茶に叩きつけて、じだんだを踏んで飛びあがって……。そこへ村の利助が丁度に通りかかって、犬どもを追っ払ってしまったんですが、その時の尼さんの顔はまるで人相が変わって、目を据えて、歯を食いしめて……。