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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

撲たれて皮肉を破られて、血汐が目にしみるほどであったが、鳶はすこぶる剛気の男で組みついた手をゆるめず、泥坊をつかまえたぞと呶鳴り立てたので、待ち設けていた桐山の店の者どもはもちろん、筋向こうの自身番からも近所となりからも大勢の人びとが落ち合って、手取り足取り捻じ倒して、その賊をぐるぐる巻きにした上で、定廻りに訴え出た。ただし途中捕りということにして頂きたいという願いで、表向きは桐山の名を出さないことにした。それは後日の引きあいの面倒を恐れたからである。途中捕りというのは、捕り方がむかって来たときに桐山の方では一旦その縄をといて往来へ突き放すと、捕り方が更に引っとらえて、縄をうつのである。こういうわけで、彼はその夜のうちに召し捕られてしまった。賊は浅草観音のそばに住んでいる錺り職人で、家には母もあり、妻子もある。貧の出来心から松浦弥左衛門という偽手紙をこしらえて、方々の店へなげこみ、おどして合力を求めただけのことで、ほかに旧悪はないと申し立てた。しかし手紙の文句といい、筆蹟といい、どうも彼のごとき職人のひとり仕事とは思われないので、ほかに同類か教唆者があろうと厳しく吟味されたが、かれは固く口をとじて容易に白状しなかった。