Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
僕はすぐに断わった。
「いや、僕は御免こうむる。水沢さんがすでに警察にあげられた以上は、警察の方で何とかするだろう。僕が横合いから出て行って余計なおしゃべりをする必要はないよ。心中の手紙もあり、ステッキの折れたのもあるんだから、証拠はもうそろっている。別に証人を探すことはないよ。」
「そうでしょうかねえ。」
お島さんはしぶしぶ出て行ったので、僕はそのあとから続いて階子を降りた。そうして、いつものようにぶらぶらと海の方へあるいて行った。きょうはぬぐったように晴れた日で、海の上は鰹の腹のように美しく光っていた。
「もしあの二人が心中のつもりで海へ乗り出したのならば、芸妓がなぜ両手にしっかりと櫂をつかんでいたのだろう。水沢のステッキがなぜ折れたのだろう。どう考えても、二人が舟のなかで叩き合って、水沢のステッキが折れたらしく思われる。心中するほどの二人がなぜ俄かにそんな叩き合いの喧嘩を始めたのだろう。やっぱり痴話喧嘩が昂じたのかな。」
そんなことを考えながら、夢のように砂地をたどって行くと、かのばらばら松から一町ほどもはなれた磯ばたに出た。
「やあい、みんな来いよう。