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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろかべ

文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁

泉 鏡花

Lesen Sie 文豪怪談傑作選 泉鏡花集 黒壁 (くろかべ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 72.070 Zeichen · 143 Bildschirme

Aozora Bunko

それを、どうこうと、申すわけではありませんけれども。」

「時に、お時間は。」

「つれのものも皈りません。……まだまだ、ご緩り――ちょうど、お銚子のかわりも参りました――さ、おあつい処を――

――で、まあ、退屈まぎれに、セコンドを合わせながら、湯宿の二階の、つらつらと長い廻り縁――一方の、廊下一つ隔てた一棟に、私の借りた馴染の座敷が流に向いた処にあるのです――この廻縁の一廓は、広く大々とした宿の、累り合った棟の真中処にありまして、建物が一番古い。三方縁で、明りは十分に取れるのですが、余り広いから、真中、隅々、昼間でも薄暗い。……そうでしょう、置敷居で、間を劃って、道具立ての襖が極まれば、十七室一時に出来ると云いますが、新館、新築で、ここを棄てて置くから、中仕切なんど、いつも取払って、畳数凡そ百五六十畳と云う古御殿です。枕を取って、スポンジボオル、枯れなくていい、万年いけの大松を抜いて、(構えました、)を行る。碁盤、将棋盤を分捕って、ボックスと称えますね。夜具蒲団の足場で、ラグビイの十チイムも捻合おう、と云う学生の団体でもないと、殆ど使った事がない。

行く度に、私は其処が、と云って湿りくさい、百何十畳ではないのです。