Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme

Aozora Bunko

なれどもかわいいお方は、いいえ、あの、恋しい念日様は御仏に仕えるおん身体、行末長う添うこともなりませぬお身でござりますゆえ、悲しい思いを致しまして、一度はお別れ致しましたなれど――。お察し下されませ。女子が一生一度の命までもと契った恋でござりますもの、夢にもお姿忘れかねて、いろいろと思い迷うた挙句、御仏に仕えるお方じゃ、いっそわたしも髪をおろして尼姿になりましたならば、いいえ、髪をおろして、尼姿に窶し、念日様のお弟子になりましたならば、女と怪しむ者もござりませぬ筈ゆえ、朝夕恋しいお方のお側にもいられようと、こっそり家を抜け出し、今朝ほどのようにああしてこのお山へ上ったのでござります。幸い誰にも見咎められずに首尾よう念日様のお手で黒髪を切りおとし、このような尼姿に、いいえ、ひと目を晦ます尼姿になることが出来ましたなれど、あの院代様に、さき程お争いのあの玄長様に、乳房を――いいえ、女である事を看破られましたが運のつき、――その場に愛しい念日様をくくしあげて、女犯の罪を犯した法敵じゃ、大罪人じゃと、むごい御折檻をなさいますばかりか、そう言う玄長様が何といういやらしいお方でござりましょう。