Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
即ち始祖は松平三河守親則公とおっしゃったお方で、神君家康公にとっては、実にそのお母方の血縁に当る由緒深い名家なのでした。それゆえにこそ、家康海内を一統するに及んで兵馬の権を掌握するや、長沢松平断絶すべからずとなして、御三男忠輝公を御養子に送ってこれを相続せしめ、長沢の郷二千三百石をその知行所に当てた上、これを上野介に任官せしめて、特に格式三万石の恩典を与えました。即ち、その内実は二千三百石の微々たる御陣屋住いに過ぎないが、いざ表立ったところへ出る段になると、上野介の官位が物を言い、三万石の城持ち大名と同じその格式権威が物を言うと言う有難い恩典なのです。ところが、結果から言って、その恩典が、実は長沢松平家にとっては甚だ有難迷惑なものとなりました。と言うのは、なまじ格式ばかり三万石の恩典を与えられたために、世上の付き合い、道中の費用なぞ、いたずらに三万石並の失費が嵩むばかりで、実際の収入はその十分の一の三千石にも足らない微禄だったところから、次第次第にふところ工合が怪しくなり出しました。しかしそれかといって、東照権現家康公のお母方につながる徳川御連枝中の御連枝なる名家が、まさかに無尽を作って傾きかけた家産を救うことも出来ないところから、思い余ってその窮状を三代将軍家光公に訴えました。