Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にっき

日記

宮本 百合子

Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.923 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

五月六日

よいものを拵えたいと云う願が多ければ多いほど、苦しむ。苦しめることを謝さなければなるまい。夜、本間の道ちゃんが来る。紅茶を入れて、部屋へ戻って来て見ると、Gが、雨戸をあけて、戸外へ出かけて居る。「到頭見つかってしまった」と軽い調子で云ったにも拘らず、自分は其那単純な明るい気分で、其を見ることは出来なかった。自分が、だまって坐を立って行ったのが、彼に不快を与えたのか、彼の沈黙の不満と、形にまとまらない嫉妬が、彼を戸外へ追い出したのか、自分は、彼の云う通り、それを単純に取る方が正しいのか、自分の感じる通りが事実なのか、決しかねる。

五月六日 木

結婚生活に於て、女性は男性よりもより多く心的に良人の場席を多くあけて居るのは事実であるらしいのを感じる。女性の本能なのだろう。細微な感情ではあるが、女性は、その tenderness を踏まれた時には、大きな苦痛を味わなければならないのだ。

昨日、トルストイの「性慾論」を読んで赤面した。人間はいいかげんになり易い。人は、自分の弱点に理由をつける。何等かの excuse を見出すのに、実に巧である。其為に、時には獣にさえおとる事がある。