Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.923 Zeichen · 46 Bildschirme
天気は少し曇って寒かった。が決して心持の悪い日ではない。行って見ると母上は、ヤエ子が沖田と大学に行って引きつけたので急にその方へ行かれたとのこと、自分は驚いて、若し入院するようなら行って見ようと、弘田氏の部屋にきき合せて見ると、もう先刻かえったと云う。丁度歯がはえかけでよく引きつける時代なので、自分は其那に不思議には思わなかった。next page
食堂で雑誌を見て居たら、戸の開いたすき間からチラリと沖田の影がさして、ずっと赤ちゃんの部屋の方に行く。もう帰って来たのだな……疑問と云うほどでもない、只どうなのかしらんと云う位の心持で、自分は赤ちゃんの部屋へ行って見た。すると、ヤエ子は眠ったように横えてある形が見なれて居るので、始めの一瞥で彼女の小さい顔が、白布で包んであるのが分らなかった。自分がそれに心づき、「駄目だったの」と云うまで、心には、何かひどくハッとした、口も利けないような驚きがあった。あまり不意だったのだ。余り突然で思いがけなかったのだ。沖田さんは、「どうも飛んだことを致しました」と云って泣き臥してしまった。自分は、ひどく寂しい、けれども、ちっとも涙はこぼれない心持で、「もう泣いたって仕方がない、貴女が泣くと尚御かあさまが悲しむから」