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Japanische Klassiker mit Furigana

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にちりん

日輪・春は馬車に乗って 他八篇

横光 利一

Lesen Sie 日輪・春は馬車に乗って 他八篇 (にちりん) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.787 Zeichen · 177 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ああ、不弥の女。爾らは我の宮を通って不弥へ帰れ。」

「卑弥呼。」と訶和郎はいった。

「待て、爾はわれに従って耶馬台を通れ。」卑弥呼は訶和郎の腕に手をかけた。

「卑弥呼、われらの路は外れて来た。耶馬台を廻れば、われらの望みも廻るであろう。」

「廻るであろう。」

「われらの望みは急いでいる。」

「訶和郎よ。耶馬台の宮は、不弥の宮より奴国へ近い。」

「不弥へ急げ。」

「耶馬台へ廻れ。」

「卑弥呼。」

訶和郎は、眼を怒らせて、卑弥呼の腕を突き払った。その時、今まで反耶の横に立って、卑弥呼の顔を見続けていた彼の弟の片眼の反絵は、小脇に抱いた法螺貝を訶和郎の眉間に投げつけた。訶和郎は蹌踉めきながら剣の頭椎に手をかけた。反絵の身体は訶和郎の胸に飛びかかった。訶和郎は地に倒れると、荊をって反絵の顔へ投げつけた。一人の兵士は鹿の死骸で訶和郎を打った。続いて数人の兵士たちの松明は、跳ね上ろうとする訶和郎の胸の上へ投げつけられた。火は胸の上で蹴られた花のように飛び散った。

「彼を縛れ。」と反絵はいった。

数人の兵士たちは、藤蔓を持って一時に訶和郎の上へ押しかむさった。

「王よ、彼を赦せ、彼はわれの夫、彼を赦せ。