Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
そんなら天から降ったのか。あるいは天狗にさらわれて、宙から投げ落されたのではあるまいか。去年の夏から秋にかけて、江戸の空にはときどき大きい光り物が飛んだ。ある物は大きい牛のような異形の光り物が宙を走るのを見たとさえ伝えられている。所詮はそういう怪しい物に引っ掴まれて、娘の死骸は宙から投げ落されたのではあるまいかと、賢しら立って説明する者もあったが、主人の黒沼孫八はその説明に満足しなかった。彼はふだんから天狗などというものの存在を一切否認しようとしている剛気の武士であった。
「これには何か仔細がある」
いずれにしても其のままには捨て置かれないので、彼はその次第を一応は町奉行所にも届けろと云った。武家屋敷内の出来事であるから、表向きにしないでも何とか済むのであるが、彼はその疑問を解決するために町方の手を借りようと思い立って、わざと公にそれを発表しようとしたのであった。
「かような幼い者に親兄弟のない筈はない。娘を失い、妹をうしなって、さだめし嘆き悲しんでいる者もあろう。その身許をよくよく詮議して、せめて亡骸なりとも送りとどけ遣わしたい。屋敷の外聞など厭うているべき場合でない。