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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「折角でありますが、御屋敷の名はここでは申されません。ただ中国筋のある御大名と申すだけのことで……」

「あなた様のお勤めは……」

「表使を勤めて居ります」

「左様でございますか」と、半七は微笑んだ。「では、まことに申しにくうございますが、この御相談はお断わり申しとう存じます」

女の眼はじろりと光った。

「なぜ御不承知と云われます」

「失礼ながら御屋敷の御家風が少し気に入りませんから」

「異なことを……。御屋敷の御家風をどうしてお前は御存じか」と、女は膝をたて直した。

「奥勤めの御女中の右の小指に撥胝があるようでは、御奥も定めて紊れて居りましょうと存じまして」

女の顔色は急に変った。

「御免くださりませ。たのみます」

格子の外で案内を頼む女の声がきこえた。

四

「お出で遊ばしませ。まあ、どうぞこちらへ」

入口へ出たお亀がうろうろしながら、新しい女客を奥へ招じ入れようとすると、案内を頼んだ女は少しためらっているらしかった。

「どうやら御来客の御様子でござりますな」

「はい」

「では、重ねてまいりましょう」

引っ返そうとするらしい女を、半七は内から呼びかえした。

「あの、恐れ入りますが、しばらくお控えくださいまし。