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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

わたしはちっとも知らなかった」と、半七は喫みかけていた煙管をぽんと叩いた。「それにしても、若旦那の死んだのは不時の災難で、誰を怨むというわけにも行くめえと思うが……。それとも其処にはなにか理窟がありますかえ」

「はい、判って居ります。おかみさんが殺したに相違ございません」

「おかみさんが……。まあ落ち着いて訳を聞かしておくんなせえ。若旦那を殺すほどならば、最初から自分の方へ引き取りもしめえと思うが……」

訊く人の無智を嘲るように、文字清は涙のあいだに凄い笑顔を見せた。

「角太郎が和泉屋へ貰われてから五年目に、今のおかみさんの腹に女の子が出来ました。お照といって今年十五になります。ねえ、親分。おかみさんの料簡になったら、角太郎が可愛いでしょうか。自分の生みの娘が可愛いでしょうか。角太郎に家督を譲りたいでしょうか。お照に相続させたいでしょうか。ふだんは幾ら好い顔をしていても、人間の心は鬼です。邪魔になる角太郎をどうして亡き者にしようか位のことは考え付こうじゃありませんか。まして角太郎は旦那の隠し子ですもの、腹の底には女の嫉みもきっとまじっていましょう。そんなことをいろいろ考えると、おかみさんが自分でしたか人にやらせたか、楽屋のごたごたしている隙をみて、本物の刀と掏り替えて置いたに相違ないと、わたくしが疑ぐるのが無理